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歯ぎしり外来

Question

歯ぎしりしている自覚はないが、すぐに虫歯になったり歯周病で歯が抜けたり、眠りが浅かったり、頭痛や肩こり、首こりが整形外科でも治りにくいのですが…。

Answer

強い咬合せや咬み続け癖によって歯と全身に不調が出ることがあります。

「ギリギリ」「ギシギシ」…寝ている間に歯と歯を擦り合わせる歯ぎしりの音。

自覚症状がない人も多いです。

しかし、そのまま放置しておくと、歯がすり減るだけでなく、歯周病が発症・悪化することもあります。

健康を脅かす危険なサインの一つとして、早めに対処することが大切です。

「あなたの寝ている時の歯ぎしりの音が怖い。病院で相談してみたら?」

妻のすすめで病院を訪れたAさん(31)。

受診すると、歯ぎしりで歯がすり減っており、顎関節症の疑いもありました。

Aさんは指導のもと、歯にかぶせて摩耗を防ぐマウスピースのような器具を毎日つけて寝るようにしていただきました。歯ぎしりはなくなってはいないが、現在は夫婦とも少し安心なさったとの事です。

歯ぎしりは、主に2パターンに分類

睡眠時の歯ぎしりは、大きく2パターンに分けられる。

  1. 上下の歯を擦りあわせてギリギリと不快な音を出すパターン
  2. 音はしないが歯と歯を強くかみしめるパターン。

どちらも主に睡眠が浅くなる時に発生するといわれており、歯ぎしりの際の十数倍にもなります。そんな大きな力が1時間で4〜5回、長いときには一晩で計40分近くも口の中で発生している例もあります。

日本顎咬合(こうごう)学会の次期理事長、上浜正・ウエハマ歯科医院(茨城県土浦市)院長は、

「歯ぎしりの最大の問題は自覚症状がない人が多いこと」と。

Aさんのケースでは、隣に寝ていた妻が夫の症状に気付く。しかし、単身暮らしの場合や音がしないタイプでは、本人や家族などが気づく事はほとんどないとの事。

歯ぎしりを放置しておくとどんな症状が出るのか。多いのが圧力で歯がすり減って歯を支える組織にも影響が及び、歯周病などが発症したり悪化したりするケース。インプラント(人工歯根)やかぶせた物が破損する人もいる。

また、肩こり、頭痛、あごの疲れや痛みなども引き起こすことがあります。

昭和大学歯科病院の馬場一美教授は「顎関節症の原因となる場合もある」とおっしゃられます。上浜院長によると、睡眠障害につながる危険性もあると最近の研究で分かってきたとの事。

歯ぎしりの原因は今のところ解明されていない。以前は歯のかみ合わせが悪いのが原因と考えられていました。現在は複数の要因が組み合わさって歯ぎしりを誘発している可能性が高いとみられています。遺伝的な要因と歯ぎしりの関係を調べる研究も行われている。

ストレス解消を

馬場教授は「歯ぎしりの正確な原因は分かっていないが、遺伝以外にも助長させる要因がある」と指摘しています。1つはストレスを抱え込むこと。仕事や日常生活で不安の他に、飲酒や喫煙、特定の抗うつ剤で引き起こされるケースもります。

胃炎などで食道が炎症を起こして胸焼けなどが起こる逆流性食道炎も歯ぎしりを誘発しやすいという事です。これらどれか1つが原因ではなく、複数組み合わさっている例もございます。

運良く歯ぎしりに気づいたとしても、「歯ぎしりを完全に治するのは難しく、症状軽減が治療の目的となる」と馬場教授はおっしゃっています。ただし、たいしたことはないと考えて何もしないと、歯を失う結果になりかねません。

マウスピースを使った治療

一般的な治療では、スプリントと呼ぶ透明な樹脂でできた専用器具が使われています。

マウスピースのような形で、睡眠時に装着します。歯にかかる圧力を和らげ摩耗を抑えることが可能です。この治療には健康保険が適用され、5,000円程度で自分の歯の形状合わせたスプリントを作ることができます。症状が緩和する患者も多いです。

自分でできる対処法

日常でたまってしまったストレスを減らすことです。

  • 寝る前にぬるめの風呂に入る
  • 軽い体操をする
  • 寝具や枕、寝る姿勢などを自分なりに工夫する
  • あごやほおのなど顔全体の筋肉をもみほぐすようにマッサージする

こうしたことが、リラックスした睡眠を得るのに役に立ちます。

仕事や運転など集中している時に、歯を噛みしめる癖がある人もいます。その場合は、かみしめを減らすよう心がければ、歯ぎしりの軽減につながりやすいです。

歯ぎしりは自分が気づくことが最も大切です。

  1. 歯がすり減っている
  2. 詰め物がよく外れる
  3. 朝起きると口の周囲がこわばっている
  4. 歯がしみる

といった症状があれば、医療機関を訪ねてみるのが得策です。

(日経新聞より引用)

 

歯ぎしり用マウスピース〜7つの効果〜

ーその1ー 歯がしみる〜知覚過敏の治療に効果的〜

歯がしみる知覚過敏の原因は、歯ぎしりにより歯の根元が砕け楔(くさび)のように削れてしまうことです。マウスピースを使うと、歯の根元にかかる応力が分散されます。それによって、歯の削れを防ぎ、知覚過敏を改善する効果があります。

ーその2ー 噛んだ時の痛み〜歯根膜炎に効果的〜

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると、噛んだ時に痛みを感じることがあります。これは歯の根の周りにある歯根膜(しこんまく)が炎症を起こしてしまう歯根膜炎が原因です。マウスピースによって歯根膜を安静にして、噛んだ時の痛みを少なくする効果があります。

ーその3ー 顎の痛み〜顎関節症に効果的〜

顎の関節は、頭の骨と顎の骨の間に関節円板(かんせつえんばん)という軟骨でできたクッションがあります。歯ぎしりが強いと関節円板がダメージを受け、顎が痛くなります。マウスピースを使うことによって顎の関節に加わる力を和らげ、顎の痛みを軽減する効果があります。

ーその4ー 歯の削れ〜咬耗(こうもう)に効果的〜

歯ぎしりは上下の歯をすり合わせることによって、歯が磨り減り(咬耗)が起こり、歯が短くなったり、場合によっては歯の神経が出てきてしまうことがあるのです。マウスピースを使うことによって咬耗を防ぎ、歯を咬耗から守ることができます。

ーその5ー セラミックの破折に効果的

歯ぎしりが強い人は、セラミック治療の後に欠けたり割れたりしてしまう方がいます。セラミック治療は体にとってはアレルギーもなくとても有用な治療です が、歯ぎしりのような強い力が長時間かかり続けると欠けたり、割れたりすることがあります。マウスピースを使うことによってセラミックやセラミック治療を した歯を守る効果があります。

ーその6ー 歯が割れる/歯牙破折に効果的

虫歯でもないのに急に歯が痛くなったり、歯茎が腫れたりするのは歯が割れてしまった可能性があります。歯ぎしりが強い方は歯に強い力が加わり続け、割れてしまうことがあるのです。マウスピースは歯ぎしりで歯に加わる力を分散し、歯が割れるのを防ぐ効果があります。

ーその7ー 歯が揺れる/歯周病に効果的

歯ぎしりによって歯に力が加わると歯が揺さぶられ、歯と歯を支えている骨の間に隙間ができます。その隙間に歯周病菌が感染すると歯周病が急激に進行します。マウスピースは歯茎に加わる力を分散して、歯周病の悪化を防ぐ効果があります。

 

歯ぎしり防止用マウスピースの価格

保険診療3割負担の方: 5,000円程度

お気軽にご相談下さい。

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